イオンなど大型のショッピングモールに入っているショップで、他より高いというショップがあります。
ただ個性的な物を多く扱うお店ではなく、個性的な物も多いうえに非常に目を引くショップです。
私が新卒で働いた所がそういうお店でした。私はもともと顧客で、当時はギャルがまだ真っ黒な時でハイビスカス柄の物が流行っていました。
私もハイビスカスはたまに着ていましたが基本は後に勤務する事となる店で買っていました。
いわゆる「キレイめ」をベースにひねりを加えた物が多い、流行っている形だけど一筋縄ではいかない非常にハイセンスな品。
未だに顧客であり、未だにあの会社は百貨店も敵わない素晴らしいセンスを持っています。
目次
初日は足の疲れが・・・
ただ、初日の足の疲れには参りました。最初の印象は足の疲れしかないんです。
きっと緊張した初出勤だっただろうし、何を来て行くか選びに選び、接客するにも何て声をかけたら良いかとか色んな思いを抱きながら出たのだと思いますが、お昼の休憩がくる前に足の裏が潰れそうなほど痛かったのです。
足の裏の皮膚は厚さが均等ではなく、骨が少し尖っている箇所の皮膚がとても厚いんですが、そこが痛い痛い!尖っている骨に押された厚い皮膚が押し合い、ただ痛いとは違う、歯痒い痛みでした。
「早く終わってくれ…」そう願いました。その店は、店のイメージに合った物を着用ということで、スニーカー、ジーンズは禁止でした。
今でこそジーンズは(そもそも今はジーンズとは言わずデニムと呼びますね)色々なアイテムに合わせますが、当時はその着こなし自体まだありませんでした。
とにかくスニーカーとは言わないが、明日からラクな靴を履こうと、それには何が合うかを足の痛みを堪えながら考えた初日だった気がします。
初めて知ったバーコードの必要性
結局ラクな靴も持っていなければラクな靴を買っとしても合わせる服に困る訳で、このままスタイルを崩さずにいくことを決めました。
足の痛みと戦いながら一番最初の仕事はバーコードの長い桁の数字を読み取れるようになることでした。
セレクトショップなので、もともとの各メーカーの数字、この会社で付けた品番、アイテム番号、サイズ番号。
まだ若い頭はスイスイ覚え、この店自体に愛着があったところに、さらに商品ひとつひとつと親密になれたようで毎日が楽しかったです。
その時でもう不況だったので来店数も少なく、私はお店の隅々の商品のバーコードを見ては畳んでいたものですから15年経った今でも、あのお店の商品を広げては畳んだ感触が手に残っています。
ストックまでチェックしていました
はじめのうちは店全体を把握しておくようストックも隅々までチェックしました。
サイズはたいていが9号で、デザイン的に11号くらいの物もありましたがサイズ番号には9とあったり、7号表記の物は実際には5号くらいの物が多く、あくまでもサイズ表記はだいたいなのだそう。
デザインによって13号くらいのお客様が9号表記の服が入れば喜んで買ってくださるケースもありました。(ショップスタッフが二言目には「着てみてくださいね」という訳が分かりました。
この時から私も二言目には「良かったら着てみてくださいね」と言っていました。返品は辛いですからね)このバーコードの商品読み取り番号は、入社してすぐに頭に叩き込んで良かったです!
他の店舗から「この商品はあるか?」という電話が結構あるんですが、すぐに対応できます。
「確認してから折り返しかけます」と言うより「あります。出ていないか確認しますので少々お待ちください」と言うのでは全然ちがいますから。
足の痛みの不思議
アパレルは3社に勤めたのですが、後に勤務する2社ではそこまで足の痛みに悩みませんでした。今にして思えば、新卒だったし若くて我慢を知らなかったんだと思います。
しょっちゅう同期の仲間と「足痛~い」と、めそめそと疲た空気を伝染させるように愚痴っぽく言ってました。
ここにはやる気のない先輩がいて、私と同期は大胆にも「すごい足痛いんですけど、どうすれば足痛くならないんですかぁ?」と、聞いたのです。ムカつく新人どもですね。
これが店長相手だったら「知らない!痛くて仕事にならないなら帰れば?」と言われていただろうに。
特にヒールのある靴の場合、厚みが必要なんだとか。当時は厚底とミュールタイプの靴が流行っていたのですが、そういった靴は底が薄くて地面の固さを直に足が感じてしまい疲れ易い。
それはヒールの低い靴でも同じらしい。確かに厚底の靴の日は少しは痛みが和らいだような気がします。
やる気のない先輩から教わった事
私はそのお店でそのやる気のない先輩から色々と楽をする方法を教えてもらいましたが、そのやる気のない先輩はすぐに辞めてしまいました。
後で考えれば、そういった人は後輩から見たら優しくて良い先輩かもしれませんが、結局その人に仕事が合わなくて辞めていくんですよね。
その後に勤めたショップでは不思議と足の痛みは辛くなかったのですが、結局足の痛みはやる気の問題かもしれません。一日中立っているのですから足が疲れて痛くなるのは当たり前なんです。
商品管理や接客に身が入っていれば足が痛い事に気が回らないし、痛くなったとしても我慢できる術を身につけるんです。
「足が痛~い」と言う人、それを言わなくても態度に出す人は全員すぐに辞めるというジンクスが私の経験上外れる事がありませんでした。
自分のセンスと一般受け
私がいたお店は3軒とも、それぞれ得意なジャンルのものを主流として、他はざっくりですが一通りのジャンルの商品も揃えていました。
毎日お店いっぱいに置かれる様々なジャンルの洋服を見ていると、どれにに何を合わせるかが自分の好みで決まってきます。洋服を扱う仕事なだけに、とくに洋服が大好きな人なら当然ですね。
むしろそれがない人もいたりするんです。そういった人よりは接客の幅も広がって仕事がしやすいのですが意外にディスプレイしてみると個性が出過ぎて特定のお客様にしか受けがよくないこともあります。
たいていのお店は流行の物を主流としますが、そこにスタッフひとりひとりの個性がプラスされて店全体の雰囲気が出来上がります。
2軒目で思った事
これは2軒目で思ったのですが、誰かがディスプレイしたのを見て「何コレ。変!」と思っても絶対にいじらない事です。
どこが変なのかって、おおかた「自分なら絶対にしない」という合わせ方なだけですよね。服が好きなら特に、コレは受け付けない!という合わせ方ってあるから。ですがそこは我慢。
自分のも同様、誰かが「何だコレ」と思っているかもしれません。いや、誰かしら一人には絶対に思われてます。ですが、ディスプレイを見てお客様は入って来るのです。
ディスプレイ全体の着こなしが素敵でお店に入って来た…というよりはアイテムを見て、合わせ易そうな物が置いていそうだから入って来る人の方が多いのです。
上から下までコーディネートに惚れ込んで「一式下さい!」と言わない限りたいていの人は全アイテムのうち、ひとつふたつしか目に入っていなく、もともと持っているアイテムに合いそうな物を探している…という人の方が圧倒的に多いのです。
自分がディスプレイすると必ず売れる!という傲りの精神を持つ人って多いですが、偏りがちにならないように気を付けましょう。